今回はちょっと怖い伝説を紹介しますね。
神戸市中央区脇浜町に小さなお地蔵さんの祠がひっそりと佇んでいます。この祠には大昔から続く不気味なお話が伝わっています。
そして今も昔も変わらない「お金儲け」もお話の核でちょっと面白くもあります。
天王塚の怪伝説をザクっとまとめ
大昔からある『天王塚』を有名な『乙女塚』(ホントは処女塚)だと偽ってお金儲けした人が、得体のしれない病気にかかって次々に亡くなってしまうお話。
天王塚の怪、インスタ版紙芝居
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天王塚の怪伝説の史跡
『天王塚の怪』伝説の史跡は神戸市中央区脇浜町の『乙女塚古墳の碑』です。
今は石碑と祠のみが残ってますが、昭和初期には古墳の盛り土も少し残っていたようですよ。
こんなところに古墳があったなんて、なんだか信じられませんね。
乙女塚古墳の碑(脇浜)
ホントに古墳だったのでしょうか‥↓
石碑と祠の全景です。お地蔵さんらしきものが5体祀られてました。↓
新しいロウソクがあります。どなたかが定期的にお参りしているのでしょうね。↓
お地蔵さんのアップ。手編みの赤い帽子が可愛いです。私も編み物好きなのでスペアの帽子を編んで寄付したい(^^)↓
天王塚の怪伝説をくわしく解説
本家本元の「おとめ塚古墳」のお話はこちら↓
弥生時代から伝わる塚を秀吉が壊す?
乙女塚古墳の碑がある場所には「天王塚」と呼ばれる小さな前方後円墳がずっとずっと昔からありました。
おそらく弥生時代頃の古墳だと言われています。
戦国時代末期、豊臣秀吉が大阪城を築くための資材として天王塚を壊して石を運び去ってしまったので、古墳の姿は原型を留めていなかったとか。
( ゚Д゚)…
秀吉さん、古墳を壊して資材にするってバチ当たりな‥って思うけど、当時はそんな感覚はなかったのかもですね。
有名な処女(おとめ)塚古墳を騙った茶屋
天王塚よりさらに東、今の東灘区御影町にある『処女塚古墳』は秀吉の時代よりずっとずっと前から有名な場所でした。
いつの頃かは不明ですが、とある人が天王塚の前に茶店を開いて、天王塚のことを「ここがあの有名なおとめ塚古墳でっせ~」と宣伝しまくりました。
本家本元の「おとめ塚古墳」のお話はこちら↓
たぶん、茶店を流行らすための『騙り商法』だったのでしょう。
なにはともあれ、多くの人が行き来する西国街道の近くだったのと『おとめ塚古墳(ニセ)』の宣伝効果で茶店は大流行り、主人は大儲け。
祟りなのか?原因不明の病で連続死
ところが!です。得体のしれない病気で茶店の主人は亡くなってしまいました。
さらに、茶店を継いだ別の人も同じような病気で亡くなってしまったのです。
脇浜の村人たちは恐れおののきました。
『天王塚』と言うくらいだから偉い人の塚だろうに、『おとめ塚』などと嘘をついてお金儲けしたから天王塚の中の人の祟りに違いない!
『おとめ塚』と呼ぶのをやめて、お地蔵様を祀って祟りを鎮めよう!ということになったそうです。
この塚の上に生えた松を切ろうとした村人が、そこにいた大きな蛇を間違って殺めてしまった後、得体のしれない病気にかかって亡くなってしまった‥らしいです。
まあこれは「蛇」の祟りかも。
それにしても『得体のしれない病気』ばかりですね。どんな病気だったんだろう‥。
この記事を書いている2020年の冬から春は新型コロナウィルスが世界中で蔓延して、日本もエライことになっているのですごく気になります‥。
江戸時代から由緒不明の名所
徳川11代将軍家斉の時代、寛政8年から10年(1796~98)に当時の観光案内書「摂津名所図会」が出版?されています。
それにこのような記述がありました。
天王塚 畔塚 和理塚。ともに脇浜にあり。いづれも由縁不詳
江戸時代でも「昔々のよくわからない史跡」だったんですね~。この頃にはあの「いわくの茶店」も伝説になっていたのかも。
天王塚の怪伝説についてのまとめ
『乙女塚古墳の碑』は一見どこにでもあるお地蔵さんの祠です。が、古くからこんなに不気味なお話が伝わっているんですね。
そして昔から商魂たくましい人がいたことも、ちょっと面白く感じました。
すぐ近くにメガ・ドンキホーテがあるので、お買い物のついでに立ち寄ってみてくださいませ。
この記事の参考文献
この記事を書くために参考にした本はこちらです。
『天王塚の怪(脇浜)』の伝説地への行き方
場所 | 乙女塚古墳の碑 |
---|---|
住所 | 〒651-0072 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目3 |
地図 | |
アクセス | 【阪神電車】春日野道駅 東へ徒歩約4分
【JR】灘駅 西南へ徒歩約15分 |
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