私が一人暮らしをしていたころの出来事です。
当時は2交代制の仕事に就いていて、睡眠のリズムが狂いやすい生活をしていました。
実際、眠れないことも珍しくないし、起きている時間でも頭がシャキッとしないことも多かったです。
ある日、遅番の仕事を終え深夜に帰宅した私は、シャワーを浴びて何だかんだしているうちに珍しく睡魔に襲われました。
そうとう疲れていたのかもしれません。
私は真っ暗な空間では眠れない体質で、いつも小さな照明を点けて寝ます。この日も大きな電灯は消し、手元の小さな照明を点けて横になりました。
どれくらいの時間が過ぎたのか、ふと目が覚めました。
頭がひどくボーっとしていて、すぐには不自然な状況に気が付かなかったのですが、少しずつ頭がはっきりしてゾッとしました。
私はすごく変な、アホみたいな恰好で寝ていて、その姿を空中から眺めていたんです。
意識は完全に浮いた自分にあり、下に寝ている自分は眠っているのか死んでいるのか、ぴくりとも動きません。
これはもしや、某コミックで読んだ幽体離脱というやつ？
私は空中でそんなことを思いました。
戻らなきゃ！
不意に怖くなり、平泳ぎのように手で空中を掻こうとしますが、思うように身体（？）が動きません。
身体に戻れなくなるのでは？ と、ますます焦って体を動かそうとしますが、やはり自由が利きません。
そうこうしていると、天井の上から何かが近づいてくる気配を感じました。何者かは判らないけれど、人間のようなものであることは感じ取れました。
すると目の前が銀色に光り、激しいめまいに襲われたかと思うと、下の自分に吸い寄せられました。ちなみに、この銀色の光とめまいに遭遇するのは2回目です。
次に気が付いた時はベッドの上でした。
上から見ていた変な体制のまま。
身体には何の異変もありません。ただ、自由が利かなかったことへの強い焦燥感が残っていました。
時間は未明。
また抜けるのでは？ と思うと、それ以降は眠れませんでした。
あの時、何が起こったのか。今でも理解できません。ただの夢だったのか、それとも・・・
