近年、母が心霊話を信じるようになりました。
私は年のせいだと思っているんですが、母の家系には霊が見えるという人が多く、母は家系のせいだと言います。
私自身も昔は何度かおかしな現象に会ったことがあり、母に話した時には「そんなものいないわよ」と一蹴されたのを覚えているので、やっぱり年のせいだと思います。
そんな母の話の中で、実際に物理的(?)な影響のあった話です。
たまたま私が実家に帰っていた時に聞いたんですが、夕方、母がゴミステーションにゴミを捨てて帰ろうとすると、ステーションの脇の家の庭に見知らぬ人が立っていたそうです。
田舎で、町内の人の顔はだいたい知っているのですが、その家の人ではないとのこと。
影のように黒い男だったと言います。
不審者かと思い少しその人を見ていると、その人も何かをじっーと、身動きもせず見つめていました。その視線を追うと、ある家の2階の部屋を凝視していたそうです。
少し気持ち悪くなった母は、すぐに家に戻りました。
それからしばらく経って
黒い人が見つめていた家の男性が、自身の家の前でボーっと立っているのを母が目撃しました。
「鍵でも忘れたのかしら・・・」
よく見るとひどく顔色が悪かったそうです。
少し気になりつつも、その時は急用のためすぐに離れました。
後日、気になった母はその家の別の方に話すと、「えっ!?」と驚かれ、「人違いですよ」と即答されたそうです。
「息子は亡くなりましたから・・・」
母が黒い男を見かけてからすぐに、男性は亡くなられたようです。何かの事情があって、葬儀はひっそりと行われたため、母はそのことを知りませんでした。
亡くなった男性は、2階の、黒い男が見つめていた部屋を自室にしていました。
偶然にしては・・・