ゆるキャラ全盛の世の中、“ゆるくない”キャラで話題を勝ち取っている兵庫県の福崎町です。
当地の伝説を下敷きにカッパで町おこし。見学に来た子供たちをガッツリ泣かせるリアルな妖怪たちが今、人気です。
福崎町は実は柳田国男生誕の地
「遠野物語」で有名な柳田国男は、この福崎町の出身です。公園内には生家が保存され記念館も設立されています。
そんな縁も手伝って福崎町は今、カッパや妖怪たちの天国になりつつあるのです。
ガタロウとガジロウ
ここ福崎町にはかつてカッパが住み着いていて、人々から尻子玉を引っこ抜いて溺れさせるという悪さをしていたとか。
そんな伝説に倣って生まれたのが河太郎(ガタロウ)と河次郎(ガジロウ)。
辻川山公園にある池の中からガジロウがブクブクと泡を立てながら登場。見学の子供たちを怖がらせています。その後ろ、ガタロウの方は池のほとりで一休み。
もちろん只の作り物ですよ(・∀・)
福崎町が考えた町おこしの秘策です。機械でコントロールされているガジロウは9時から17時まで15分ごとに姿を現す仕組みです。
もともと池の水が濁ってどうしようもなかったことを逆に利用して、「カッパを登場させてはどうか」というアイデアから生まれた企画。今では週末に数百人が訪れて、福崎観光の目玉となっているのです。
福崎町に増殖する妖怪たち
この地に巣くう妖怪はカッパだけではありません。天狗に鵺に山の神。いろいろな妖怪像が増殖中です。
新たに天狗やカッパが鎮座するベンチが導入され、また人気を後押ししそうです。
毎年行われている「妖怪造形コンテスト」の優秀作は等身大の銅像として設営されることになっているので、これからも妖怪たちは数を増やしていくのでしょう。
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「全国妖怪造形コンテスト」も“怪”催
例年「全国妖怪造形コンテスト」が開催されていて、妖怪のフィギュアなど、造形物を募集します。
作品募集の時点で3点の妖怪が指定されるので、その中から自由に選べます。一人で複数応募も可能なので全種類制覇してもかまいません。
一般部門とジュニア部門に分かれていて、参加は無料です。
優勝すれば賞金なんと30万円。入選作品は展示施設で永久保存。自分で作った作品がそうやって展示されるっていうのは鼻が高いことでしょうね。
今年2018年の詳細はまだ発表になっていませんが、4月くらいには更新されることでしょう。
毎年、200名以上の応募がありオリジナリティーのある妖怪たちが勢ぞろいします。
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福崎町の特産品とかお土産とか
「もちむぎ」という特産品を使った各種商品が人気です。
もちむぎは大麦の一種で弾力のあるモチモチとした食感が自慢。以前は団子にして食べていたそうですが、何か特産品を作ろうということになり「もちむぎ麺」として売り出されています。
また、もちむぎを使ったソフトクリームやどら焼き。カステラなどとスイーツの種類も豊富ですね。
その他にはカッパ関連のグッズなどが販売されています。
「カワイイ」から「キモい」へ。
大胆な発想の転換が大成功につながった良い例でしょう。
他の自治体と同じように「ゆるキャラカッパ」を作っていたら当然のように埋没してしまって話題にはならなかったでしょうね。
他人と違うことをするのは勇気がいるかも知れませんが、肩を並べて安心していても仕方がない。少しばかり冒険をしてみないことには、成功は勝ちえないのでしょう。
次の週末は、そんな妖怪たちを“ウオッチ”しに行くのはいかがですか。