北区山田町の山中に蛇池(じゃいけ)があります。
ちょっと道が分かり辛かったけど、登山アプリのYAMAPで道を確認できたので、念願叶って行ってきました。
Instagram版ショート紙芝居
Instagramで紹介した簡易版ストーリーです。
かなり端折ってるので、次の章でストーリーを詳しく紹介しています。
神戸情報満載のInstagramもよろしくお願いします。
https://www.instagram.com/monokobeblg/
蛇池の伝説
蛇池の伝説はすごく魅力的ですが、類型のお話は日本各地に結構あります。
有名なのは長野県の『黒姫伝説』ですね。
信濃の国の美女『黒姫』に恋した龍が人間に化けて想いを遂げる物語で、長野県の黒姫山はその伝説にちなんで名づけられたそうですよ。
黒姫伝説の龍は天変地異を起こして人を大勢死なせていますが、山田町の蛇池の主はやり方がスマートかも。
蛇池伝説はこの本に詳しく載っています↓新品はもう売ってないみたい。
私の愛読書↓黒姫伝説は載っていない。
東下城(城山)の美しい姫
北区山田町東下にこんもりした山があります。
↑ローソン神戸山田町中店から撮影。見ればすぐにわかるほどこんもりしています。
この山にはかつて『山城』がありました。
山城の熱心なファンには有名な城山のようです。
全く手つかずで放置されていたため、当時の遺物がそのまま残っているそう。
もちろん風化してるので、見る人が見なけばわからないと思います。
先人のブログを見ると、道なき道を分け入って山歩きするみたいです。
見に行きたいけどちょっと躊躇。年が明けて完全に冬枯れしたなら行けるかな~。
で、この山城については歴史的にほとんど何も明らかになっておらず、地名から『東下城跡』と呼ばれています。
蛇池の伝説はこの東下城から始まります。
この山城の城主の娘はとても美しい姫なので、近隣からあまたの求婚者が訪れます。
正体不明の求婚者
なかでも、ひときわ熱心な若侍がいました。
気品があるなかなかのイケメンで身なりも立派、お供の者の様子からも大国の若殿にしか見えません。
姫も若侍が好きになった様子でしたが、若侍は自分の身元を明かしません。
城主夫妻が幾度尋ねても、『すぐ近くの国ですが、あなた方は知らないでしょう』『でもご心配なく。たびたび里帰りはさせますよ』と答えるばかり。
消えた姫
その態度に不安を覚えた城主は、若侍の求婚をきっぱりと断りました。
若侍は意外なほどあっさりと引き下がりましたが、いつの間にか姫の姿も消え失せてました。
城主夫妻は憤りと嘆きに身を苛まされていました。
謎の里帰り
ところが数日後の夜、姫は大勢の供を従えて帰ってきました。
姫は若侍の国へ連れて行かれ結婚したとは言っても、どこの国なのかは口をつぐんだままです。
そして夜明け前になると、姫も供の者もいつの間にか居なくなりました。
それ以降、若侍が言ってたようにたびたび姫は里帰りしてきますが、必ず夜、そして夜明け前には姿を消すのです。
城主夫妻が不審に思ってもなす術がなく、この謎の里帰りはずっと続いていました。
丹生山上からの謎の灯
ある日のこと、村の若者が山仕事で遅くなり、暗くなった丹生山を下山しながら東下城を見下ろすと、たくさんの怪しい火が城山から南の方へ続いています。
若者が城まで行ってみると、怪しい火は見えずに『また姫が消えた!』と騒いでいる様子。
そこで、城主に自分が見た怪しい火のことを伝えます。
その次に姫が里帰りした時、城主は家来に命じて山の上から見張らせました。
蛇池の主
夜明け前、城の周りに怪しい火がひとつ、ふたつと現れ、やがて無数の火は南方面の蛇池まで続いていました。
家来からその知らせを聞いた城主夫妻は、姫の嫁ぎ先が分かりため息をつきました。
とても近い国ではあるけど、この世の国ではない蛇池の主の国へ姫は嫁いで行ったのです。
今でも見られる『城山の狐火』?
この怪しい火は『城山の狐火』『姫の送り火』と言われて、今でも時々見ることが出来るとも伝わっています。
なにかの自然現象なのでしょうか?
本当ならぜひぜひ見てみたい~!!
丹生神社でキャンプでもしたらそのうち見れるのかな。
この本もすごく面白い!↓
伝説の感想
姫の嫁ぎ先がわかった城主がどういう行動をとったのかは伝わっていませんが、異形の者に魅入られた姫のことは諦めたのかもしれません。
龍にひどい仕打ちをして、しっぺ返しを食らった黒姫伝説とは大きく違うところですね。
蛇池の主は頻繁に姫を里帰りさせているし平和的な雰囲気です。
ただ、嫁ぎ先が分かった後も、姫は里帰りしていたんでしょうか。そこはとても気になります。
蛇池への行き方
蛇池はローソン山田町中店から、ハイキングロードを30~40分歩くと到着します。
蛇池までは辛うじて車も通れる(軽トラが追い抜いて行った)ほど道が良いので、本格的な山歩き装備じゃなくても大丈夫です。
ただし、靴はハイキング用のものをおすすめします。
この地図は登山アプリのYAMAPのスクショ。
ほぼ1本道だけど、何か所か脇道があります。
道中を写真で詳しく解説しました。
↑ローソン山田町中店が出発地点。
この辺りはコインパーキングがありません。私はローソンまで送ってもらいました。
↑ローソンから少し箕谷方面に戻ると『六甲動物霊園』の看板があるので、この手前の道を右折。
↑清光寺が見えてきます。清光寺の右の道を降りていきます。
↑動物霊園への道が左手にあるけど、右の道を行きます。
↑のどかな田園風景の気持ちの良いハイキングロード。
↑橋を渡って右側に進みます。
↑ぐんぐん進んで行くと
↑分岐があります。藍那方面の右に進みます。
↑看板もあるので安心。
↑ここから急な登りになります。
↑10分ほど登ると右手に池が見えるけど、これは蛇池じゃないですよ~。
↑かなり迷う分岐に到着。(光が映り込んでわかりにくいですね)
地図では右に進む方が蛇池の長辺の縁に行ける気がします。
実際右に行ってみたけど、途中で行き止まりっぽくなります。
もしかしたその先にも道があったかもしれませんが、なんとなく私有地なような気もしたので、分岐まで戻って左方向へ進みました。
↑竹林が続いて、左手にこんな椅子がおいてあった。誰が休憩するのかなぁ。
↑車や機械などがたくさん置いてある場所に行きついて驚きました。
右に行ったら蛇池への近道っぽいけど、私有地みたいで立入禁止の看板があるのでスルーして、道なりに進みます。
↑さっきの場所から少し行くと分岐があります。右へ降りていくと蛇池の縁に出ます。
蛇池到着!!
鬱蒼と静まり返っていてちょっと不気味でした。
この場所は蛇池の先っぽの方なので全体像がわかりません。
地図で見るとかなり奥まで広がっていると思います。
ここにイケメンの主と美しい姫が仲良く暮らしている‥と素直に信じられそうな雰囲気でした。
蛇池から藍那方面へ(イノシシに遭遇!)
蛇池まで来れたので引き返してもよかったけど、せっかくなので藍那方面まで歩いてみることにしてました。
↑が、地図通りに藍那方面に向かうと、蛇池を過ぎてすぐにこんな藪道になってしまいます。
↑案内版も草に埋もれている。
でm
↑でも藍那方面で間違いない。
イノシシと遭遇したのはこの直ぐ後です。
右手が谷になっていて斜面をイノシシが登ってきていたようで、鼻息の音をしっかり聞きました。
ギャーっと叫ぶとプギッーと鳴き声がして、イノシシは谷の方にUターンした様子。
もう怖くて怖くて必死で藍那方面に逃げました。
藪道は開けたと思ったらまた熊笹に覆われるの繰り返しで、夢中で足を進めると箕谷方面が見渡せる場所に出てました。
↑この時ほど人里が恋しかったことはないですw
ここで息を整えてその先の道を見ると、やっぱり藪道が続く様子。
ここで引き返すことにしました。長坂山頂の少し手前です。
蛇池を過ぎてからの道にはイノシシが掘り返した跡が多数ありました。
人が通った様子もなかったので、今はあまり使われていないハイキングロードなのかな?
もう一本西の義経道も行きたいけど、どんな様子かちょっと不安です。
場所 | 蛇池 |
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住所 | 神戸市北区山田町 |
地図 | |
アクセス | 詳細は前述 |
駐車場 | なし |