JR灘駅のすぐ近くに『割塚古墳の碑』がひっそりと佇んでいます。
近くで見ると結構大きな石碑。この石碑には昔々からロマンあふれる黄金伝説が語り継がれています。
割塚の黄金伝説をザクっとまとめ
- 筒井の里には大昔から大きな丸い古墳があった
- その下には黄金千枚が埋められているという伝説がある
- 豊臣秀吉が古墳を壊してその頃から『割塚』と呼ばれるようになった。黄金が発見されていたかは伝わっていない。[/box03]
割塚の黄金伝説の史跡
割塚古墳跡
JR灘駅のすぐ近く。建物に囲まれてひっそり佇んでいる割塚古墳跡の石碑。
逆光のせいかすこし神々しい写真になりました(^^)
割塚古墳の裏面
裏面には『布敷首霊地』と彫ってあります。どういう意味かは後述。
裏面かと思っていたら、下の方にお供えする台がありました。もしかしてこちらが表面?
割塚古墳の碑文
石碑の側面には次のような文が彫ってあります。
なんて書いてあるのかさっぱりわかりませんでしたが、あとで調べて内容は把握できたのでこれも後述しますね。
割塚の黄金伝説をくわしく解説
筒井の里ってJR灘駅周辺のこと?
割塚古墳より北西に『筒井八幡神社』があるから、このあたり一帯が筒井の里って呼ばれていたんやろうね。清水が湧き出る土地だったから『筒井』という名前になったらしいよ。
割塚古墳は誰のお墓?
石碑の側面に漢字だけの文が彫ってあります。内容は次の2点。
- 大正15年に残っていた古墳の石を作ってこの石碑を作った
- 和理塚(割塚)はこの地域を支配していた豪族である布敷首の墓である
布敷首って誰?
少し調べてみたけどわかりませんでした。割塚古墳は7世紀のものとされているのでそれくらいの豪族なのかな?
でも割塚古墳自体が誰かのお墓だという証拠もないそうなので、全てが謎ですね。
大正時代にこの文を彫った人は、どこからこの「布敷首の墓うんぬん」という情報を得たのでしょうか。
黄金伝説と共に伝えられていたのかな?黄金伝説よりこちらの方がむしろ気になります。
豊臣秀吉はなぜ古墳を壊したの?
ズバリ『大阪城築城』のためです。
あちこちの古墳を壊して資材調達していました。脇浜の『(ニセ)乙女塚古墳』も秀吉によって壊されました。
これにも面白い伝説があるのでぜひ読んでみてください♪↓
割塚古墳の黄金は見つかったのか?
筒井の里人に伝わっている黄金伝説。
『古墳の下に黄金千枚が埋められている。家が3軒くらいにまで筒井の里が衰えたら、黄金を掘り起こして村の復興に当てるように』
筒井の里は衰退することなく、そして黄金は掘り起こされることなく、秀吉の時代になりました。
秀吉が古墳を壊したときに黄金が見つかったという話は伝わっていません。
もともと黄金なんて埋められてなかったのか、それとも秀吉が秘密裏に回収したのか、はたまた別の人物がこっそり掘り当てたのか‥想像が膨らんで面白いですね。
個人的には、黄金伝説は夢や希望が具現化したものだと思っているから、最初から黄金はなかったんだろうな~って思います。
でも『秀吉がこっそり回収した』というのが一番面白いかな?
霊験あらたかな『豊武社』と『割塚稲荷』
秀吉がごっそり古墳の石を持ち去ってしまったので、2個の大石と少しの残石だけになった古墳は『割塚』と呼ばれて、いつの頃からかその上にお稲荷さんの社が建てられました。
調べる資料によって『豊武社』『割塚稲荷』と名前が違うのでちょっと混乱しますが、多分同じ社で言い方が違うだけなのか?
この社は霊験あらたかで、お参りすると願い事が良く叶うとか。
現在の割塚古墳の位置とお社について
その霊験あらたかなお社はどうなったん?
昭和10年に阪急電車の高架工事のためにお社は筒井八幡神社に移されたみたい。
機会があったら筒井八幡神社に行って確かめてみないとね。
そやね。願い事いっぱいあるし
この時の工事によって割塚古墳の石碑も今の場所に移されました。もともとは今の場所から東北に20mくらいの高架下だったようですね。
割塚の黄金伝説についてのまとめ
世界各地に黄金埋蔵伝説はあるけれど、自分の住む街の黄金伝説はやっぱり面白いです。
黄金そのものよりも、その伝説にまつわる人間ドラマの想像にワクワクします。
この伝説の場合『秀吉黄金着服説』かなw
この記事の参考文献
この記事を書くために参考にした本はこちらです。
割塚の黄金伝説地への行き方
場所 | 割塚古墳の跡 |
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住所 | 〒651-0065 兵庫県神戸市中央区割塚通1丁目2−20 |
地図 | |
アクセス |
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駐車場 | 割塚古墳のすぐ近くにコインパーキングは見当たりませんでした。JR灘駅のまわりにはあるかもしれません。 |
行き方のヒント
ちょっとわかりにくいかも。阪急電車の高架とJRに挟まれたところで、「更生センター」という建物のすぐ横に割塚古墳の跡はあります。